人参の皮できんぴら

人参の皮を剥くときにいつも思い出す、人参の皮できんぴらをつくったという「あの人」。
もう随分前に閉鎖されたけれど、内藤泰弘氏の「トライガン・マキシマム」の老舗ファンサイトがあって、そこの管理人さんの日記がとても魅力的だった。最後の方は日記の更新しかなかったのに訪問者がとても多くて、さながらカリスマ日記作者。

大抵はごく日常の些細な出来事や職場やアルバイト先での出来事などを綴っておられただけだけど、文章力の豊かさや巧みさ、何より文章から滲む人柄が魅力的で、しかもとてもパワフルなその生き方が素敵で、読むのがとても楽しかった。何年だったか、随分長い間通っていた気がする。文章ってその人の人柄がでるんだよね・・・あ、今激しく落ち込んだ；；

なぜ人参の皮できんぴらかと言うと、その方が職場である研究室の人と教授の山荘だかに行かれたとき、山の中なのでゴミを出すわけにもいかないと思い、料理で残った人参の皮できんぴらをつくられたんだそうな。後で教授がその方を人に紹介するとき「彼女は人参の皮できんぴらつくるんですよ。」と言われ、恥ずかしかったと書かれていた。そりゃそうだ。
でも凄いや。人参の皮できんぴら。このネタを未だに憶えているくらい、鮮烈な印象を受けたものです。いや、別にそれだけ憶えてるわけじゃないですよ？
そういえば、ブレイクする前から平井堅がお好きで、私が平井堅のCDを買ったのもこの日記がきっかけだったり。

その後、研究生活との兼ね合いからサイト運営を続けられなくなり、閉鎖されたのだけど、閉鎖前に感謝のメールを出そうと思っていたのに、その頃は私も仕事が殺人的に忙しくて、結局出せなかったのが未だに心残りだったりする。

私が十ン年勤めた会社を辞めて無謀な受験生活を始めたのも、この方の生き方から影響を受けたと言えなくもない。
今頃どうされてるかなーと時々思い出す。人参の皮を剥きながら。