『AKIRA』(1988)で“ジャパニメーション”の表現力を世界にアピールした大友克洋による劇場用長編アニメ(2004年公開)。製作期間9年、制作費24億円という大作だ。
時は19世紀半ば、舞台は世界初の万国博覧会を控えたイギリス。少年レイは、祖父ロイドと父エディが発明した謎の球体・スチームボールを手にしたことから、アメリカのオ…
自分勝手評価:★★★★☆
今更ですがレンタルDVDで観ました(ありがとう、TS●TAYA半額セール)。
大変、面白かったです!
大友克洋監督作品といえば『AKIRA』があまりにも有名ですが、私個人の印象としては、確かに映像は素晴らしいんだけど、今一つ受け手を選ぶ内容(と画)だったような。
そのせいか、2時間の劇場版として思った以上の満足度。
親しみ易い内容で敷居が低く、幅広い客層に受け容れられる作品だと思う・・・んだけど、興行的にはどうだったんだろう?
映像の方は期待通り。いや、期待以上かな。全編よくもまあこれだけ、なカンジで良く動いてくれました。
最初の自走蒸気機関車から逃げるシーンや(直後の飛行船がクレーンで襲ってくるシーンには爆笑。なんじゃこりゃー!)、レイの飛行シーン、スチーム城の稼動シーンもさることながら、スカーレットのキャラデやお嬢様らしい大袈裟な仕草がなんだかディズニーチックで面白かった。
スカーレット登場シーンでのスカーレット号の迫力も印象的。あれは大画面で観たかったな。
19世紀の技術革命で科学という「力」を手に入れた人間。この科学を何のためにどう使うべきかという奥深いテーマながらも、骨格のはっきりした判り易いストーリーで、何気にギャグもちりばめながらバランス良く纏められた脚本がお見事(にしても、まさかあんなクライマックスで、足元掬われるとわ!)。
終わってみれば、人騒がせな発明家父子の親子喧嘩と、その尻拭いをさせられた少年の話。>え゛?
祖父と父、さらにはそのライバルである科学者達、それぞれが科学を何のためにどう使うべきかを主人公のレイに教えようとする。
それぞれにそれなりの理はある。
だから祖父は息子をあしざまに言いながらも、「お父さんは間違っているの?」と尋ねるレイに、お前自身で確かめろ、と言うのだ。
誰の言葉が正しいのか、仮に「正解」があったとしても、その結論だけ教えられても役には立たない。
例えば算数の問題で答えだけを教えてもらうみたいなもの。それで正解が判ってその問題は解けたとしても、その答えになるためにどんな公式を使うのか、なぜその公式を使うのか、そもそもその公式はなぜそうなのか、が判らなければ、応用問題は解けない。そんな感じ?
だからレイは、自分の頭で考えて、自分の答えを見つけ出さなければならない。
スチームボールを持って逃げるとき、祖父の言う通りにするのではなく、父の言葉も受けながら、最後は自分のやり方でまんまと逃げ出す。
それと印象に残ったのはスカーレット。
オハラ財団会長の孫で、お嬢様気質120%。
でもまだ純真さをもつ子供であり、そして物事を自分自身の眼で見、考え、行動できる器量がある。
オハラ財団が死の商人であることを知って「お金儲けして当然じゃない」と言いながらも、人々が傷付くのを見て率直にその惨さを感じ、止めようとする。
レイと共に、未来を担う新しい力としての頼もしさと存在感がある魅力的なキャラだった。
DVD バンダイビジュアル 2005/04/14 ¥3,990
時は19世紀半ば、舞台は世界初の万国博覧会を控えたイギリス。少年レイは、祖父ロイドと父エディが発明した謎の球体・スチームボールを手にしたことから、アメリカのオ…
自分勝手評価:★★★★☆
今更ですがレンタルDVDで観ました(ありがとう、TS●TAYA半額セール)。
大変、面白かったです!
大友克洋監督作品といえば『AKIRA』があまりにも有名ですが、私個人の印象としては、確かに映像は素晴らしいんだけど、今一つ受け手を選ぶ内容(と画)だったような。
そのせいか、2時間の劇場版として思った以上の満足度。
親しみ易い内容で敷居が低く、幅広い客層に受け容れられる作品だと思う・・・んだけど、興行的にはどうだったんだろう?
映像の方は期待通り。いや、期待以上かな。全編よくもまあこれだけ、なカンジで良く動いてくれました。
最初の自走蒸気機関車から逃げるシーンや(直後の飛行船がクレーンで襲ってくるシーンには爆笑。なんじゃこりゃー!)、レイの飛行シーン、スチーム城の稼動シーンもさることながら、スカーレットのキャラデやお嬢様らしい大袈裟な仕草がなんだかディズニーチックで面白かった。
スカーレット登場シーンでのスカーレット号の迫力も印象的。あれは大画面で観たかったな。
19世紀の技術革命で科学という「力」を手に入れた人間。この科学を何のためにどう使うべきかという奥深いテーマながらも、骨格のはっきりした判り易いストーリーで、何気にギャグもちりばめながらバランス良く纏められた脚本がお見事(にしても、まさかあんなクライマックスで、足元掬われるとわ!)。
終わってみれば、人騒がせな発明家父子の親子喧嘩と、その尻拭いをさせられた少年の話。>え゛?
祖父と父、さらにはそのライバルである科学者達、それぞれが科学を何のためにどう使うべきかを主人公のレイに教えようとする。
それぞれにそれなりの理はある。
だから祖父は息子をあしざまに言いながらも、「お父さんは間違っているの?」と尋ねるレイに、お前自身で確かめろ、と言うのだ。
誰の言葉が正しいのか、仮に「正解」があったとしても、その結論だけ教えられても役には立たない。
例えば算数の問題で答えだけを教えてもらうみたいなもの。それで正解が判ってその問題は解けたとしても、その答えになるためにどんな公式を使うのか、なぜその公式を使うのか、そもそもその公式はなぜそうなのか、が判らなければ、応用問題は解けない。そんな感じ?
だからレイは、自分の頭で考えて、自分の答えを見つけ出さなければならない。
スチームボールを持って逃げるとき、祖父の言う通りにするのではなく、父の言葉も受けながら、最後は自分のやり方でまんまと逃げ出す。
それと印象に残ったのはスカーレット。
オハラ財団会長の孫で、お嬢様気質120%。
でもまだ純真さをもつ子供であり、そして物事を自分自身の眼で見、考え、行動できる器量がある。
オハラ財団が死の商人であることを知って「お金儲けして当然じゃない」と言いながらも、人々が傷付くのを見て率直にその惨さを感じ、止めようとする。
レイと共に、未来を担う新しい力としての頼もしさと存在感がある魅力的なキャラだった。
DVD バンダイビジュアル 2005/04/14 ¥3,990
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