ブラックジャックによろしく (10)
2005年7月19日 漫画感想
高速使って車で60分ほどのところのたんぼの真ん中(!)に、美味しい洋食屋さんがありまして。マスターが趣味で営業されてるような鄙びたお店ではありますが、そこの洋食が夫婦揃って好きなもので、わざわざ高速使って行くんですけど(我ながら奇特な客)。
で、その店には大量の漫画本が置いてあって(しかも稀に新作追加)、食事が出来るまで旦那と黙々と漫画を読むのが常。
で、昨日久し振りにその店に行って読んだのが10巻です。11巻まで発売されてますが、未だ店に置いてなかった(笑)。
因みに、旦那が読んでたのは「らんま1/2」。頼むから声出して笑いながら読まないで欲しい。恥ずかしい;;
永大医学部を卒業して医者になりたての研修医の斉藤が、研修で各医科を回り、それぞれが抱える医療の現場の問題に直面しながら、医者として、人間としての成長を遂げる話。
9巻からは精神科編。精神科の患者への医者としての向き合い方、そして患者への社会的偏見が今回の斉藤が直面する問題。
それまでのストーリーも含めた感想としては、医療現場の状況がかなりそれらしく描かれているように思う。
全くの新人として問題に直面する斉藤は読者と同じ立場であり、つきつけられる苛酷な現実にしばしば押し潰されそうになり、その絶望感が、読んでいると息苦しいばかりに伝わってくる。画の迫力も相まって、立て続けに2〜3冊コミックスを読んだら、疲れを感じること甚だしい(尤も、精神科編ではこれまでに比べて斉藤が苦悩することが少ない気がするけど。私の印象では、一番はやはり末期癌患者。次いで小児科)。
しかし、そんな状況でも斉藤は最後まで諦めずに果敢に立ち向かい、最終的にはいずれの問題も明るさを残して終わらせている。
尤も、当然ながらこれは全てフィクションであって、どれほど現実っぽく見えたとしてもやはり現実とはズレがあると思う(現実はもっと苛酷ではないかという意味で)。
もちろん私は医者でも看護士でもないので、リアルな現場なんて知らないけれど、少なくとも患者(の家族)側の視点は持っているから。
正直、その解決方法や受け止める患者の姿等の描写に現実感はやや乏しいように感じる。所詮、作り物だな、という印象は否めない。
が、それで良いのだと思う。
誰しも、どうしようもない現実を漫画で読みたいなんて思わないだろう。少なくとも私はごめんだ。どうしようもない現実なんていくらでも転がっているんだから。特に命に関わる医療の場においては。
少なくとも医療が抱える問題そのものの提示はある程度されている。
その解決方法もかなり具体的に示されている(実現性に乏しいものもあるように思われるけど)。
そして、この作品を読んで、医療を提供する側、される側のそれぞれが、その問題にどう向きあうのかを考えるきっかけになれば、それで作者の目的は達成できているのではないだろうか。
そういう意味で、充分読み応えのある作品だと思う。
ところで皆川さんとここまでの付き合いになるとは思わなかった私。ご両親にご挨拶までした斉藤だけど、研修医のうちは結婚できないよ?
泣いて喜んでる皆川さんのお父さんの姿が涙を誘うけど。
ISBN:4063289893 コミック 佐藤 秀峰 講談社 2004/10/22 ¥560
で、その店には大量の漫画本が置いてあって(しかも稀に新作追加)、食事が出来るまで旦那と黙々と漫画を読むのが常。
で、昨日久し振りにその店に行って読んだのが10巻です。11巻まで発売されてますが、未だ店に置いてなかった(笑)。
因みに、旦那が読んでたのは「らんま1/2」。頼むから声出して笑いながら読まないで欲しい。恥ずかしい;;
永大医学部を卒業して医者になりたての研修医の斉藤が、研修で各医科を回り、それぞれが抱える医療の現場の問題に直面しながら、医者として、人間としての成長を遂げる話。
9巻からは精神科編。精神科の患者への医者としての向き合い方、そして患者への社会的偏見が今回の斉藤が直面する問題。
それまでのストーリーも含めた感想としては、医療現場の状況がかなりそれらしく描かれているように思う。
全くの新人として問題に直面する斉藤は読者と同じ立場であり、つきつけられる苛酷な現実にしばしば押し潰されそうになり、その絶望感が、読んでいると息苦しいばかりに伝わってくる。画の迫力も相まって、立て続けに2〜3冊コミックスを読んだら、疲れを感じること甚だしい(尤も、精神科編ではこれまでに比べて斉藤が苦悩することが少ない気がするけど。私の印象では、一番はやはり末期癌患者。次いで小児科)。
しかし、そんな状況でも斉藤は最後まで諦めずに果敢に立ち向かい、最終的にはいずれの問題も明るさを残して終わらせている。
尤も、当然ながらこれは全てフィクションであって、どれほど現実っぽく見えたとしてもやはり現実とはズレがあると思う(現実はもっと苛酷ではないかという意味で)。
もちろん私は医者でも看護士でもないので、リアルな現場なんて知らないけれど、少なくとも患者(の家族)側の視点は持っているから。
正直、その解決方法や受け止める患者の姿等の描写に現実感はやや乏しいように感じる。所詮、作り物だな、という印象は否めない。
が、それで良いのだと思う。
誰しも、どうしようもない現実を漫画で読みたいなんて思わないだろう。少なくとも私はごめんだ。どうしようもない現実なんていくらでも転がっているんだから。特に命に関わる医療の場においては。
少なくとも医療が抱える問題そのものの提示はある程度されている。
その解決方法もかなり具体的に示されている(実現性に乏しいものもあるように思われるけど)。
そして、この作品を読んで、医療を提供する側、される側のそれぞれが、その問題にどう向きあうのかを考えるきっかけになれば、それで作者の目的は達成できているのではないだろうか。
そういう意味で、充分読み応えのある作品だと思う。
ところで皆川さんとここまでの付き合いになるとは思わなかった私。ご両親にご挨拶までした斉藤だけど、研修医のうちは結婚できないよ?
泣いて喜んでる皆川さんのお父さんの姿が涙を誘うけど。
ISBN:4063289893 コミック 佐藤 秀峰 講談社 2004/10/22 ¥560
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